About Book

がもたらしてくれるもの

本を読むと何がいいの?

読書をすると、自分が体験し得る範囲外の世界を時空を越えて見ることができたり、他人を鏡にして自分を見ることができます。色んな人の人生を疑似体験できるので、人の気持ちが手に取るようにわかるようになります。

人の気持ちがわかるから相手のことを想像という形で思いやることできるし、心の器が大きくなります。見える世界が体感したかのように広がっていきます。

また、本を読むことでことばが自分の味方になります。脳に染み込んで心に在って、自分に一番近いところに味方がいるのだから、これほど頼りになるものはないです。

加えて、多数の本を読んでいると人としてあるべき姿や理想像が確固たるものになっていくから、日常の中で自然と背を正すようにもなるのです。

そして、色んな世界を知っているからこそ、どのようなことが起こっても事前に想像しておくことができます。

想像できるから、何が来ても受け入れられる覚悟ができる。想像力を駆使して、対応していける。だから総じて、メンタルが強くなり心が鍛えられます。

心が鍛えられるということは、心の健康が保たれる、ということにも繋がります。

さらに、本を読むということは自分と向き合うことでもあるので、日々何かと忙しないわたしたちの生活にじっくり内省の時間をもたらしてくれます。

だから、自分が歩んでいきたい方向性の軌道修正をするきっかけにもなってくれます。

目の前にやってくるできごとに準備なしのまま逐一対処するのではなく、全体感をつかんだ上で、そして色んな選択肢を知った上で生きるのは、人生の質も充実度も心がまえも、全くちがってきます。

ことばが積み重なり体系化されていくと、それらが自分の価値観や思考を創り、動きを起こします。

本を読む習慣がある人にしか実感できないほどの、莫大な資産をもたらしてくれるのです。

この世界で生きる人に必要なもの

ことばには、これまでの経緯から裏付けされた自信だったり、それらから紡ぎ合わされていった、その人の考えや価値観だったりが、出る。未来のどの方向を向いているのかも、にじみ出る。

あなたがコミュニケーションをとる目の前の相手は、あなたの心のうちを、あなたが発することばから、あなたという存在がどのようなものであるかを認識します。

「自分のことばで意見を述べられる」ということは、それだけ自分とそれを取り巻く世界に向き合っている証拠。

人々は無意識のうちに、相手のことばからその人の生きるスタンスさえも読み取っているのです。

情報社会と言われ、インターネットが当たり前に普及した今、いち個人が世界中の人とつながることが可能になりました。

「日本人の感覚で生きてきた」同じバックグラウンドを持つ人々と、日本国内の日本人コミュニティだけの交流で完結していた世界では「阿吽の呼吸」「空気を読む」ことで対処できてきましたが、これからは少し工夫が必要です。

いや、すでに必要になっていると言っても過言ではありません。

自分とは違う背景を持つ人と関わるということは、相手のことをよく知ることが前提です。

それは例えば、相手の国のことだったり歴史や文化だったり、相手のアイデンティティを形作ったあらゆる要素が対象になります。

また、同時に、相手のことを知る以上に、自分のアイデンティティを形作った背景を知ることと、意見を持つことも必要です。

世に起こる事実を知ることと同じくらい大切なのは、その事実に対して自分はどう思うか、という自分の考え。

もはや、同じ日本人だからと言っても、それぞれに色んな背景を持ち、個人が個性を発揮して生きられる時代になった今、自分の意見をことばで表す力というのは、確実に必須事項だと考えます。

世界のあらゆる人と関わっていくことを前提にすると、言語の習得以上に大切な、「相手を知ろうとする姿勢」と「自分自身や相手を取り巻くあらゆる要素についての理解(=教養)」が必要ではないでしょうか?

その姿勢と教養を学ぶツールに、読書は最適なのです。

読書をすれば、世界を舞台に生きる自分になれるのです。

誰でもない自分が生きたい人生を生きる

ひとつひとつの人生というストーリーも、その道を歩く主人公であるその人も、唯一無二のもの。

今を生きるわたしたちが、世界で起こっていることを知り、自分自身を知り、自分が生きたい人生を生きるには、もはや誰かに教えてもらうのを待つのでは、間に合いません。

何より、自分がどう生きるかは、誰かに教えてもらうものでなく自分で見つけていくもの。

日々早いスピードで刻々と変化していく世界を生きるには、「自分自身でいかに学ぶか」が鍵になってきます。

わたしは、「人生での学びや経験とは、人生という絵を描くための道具を揃えることと同じ」だと思います。

水彩画、油絵、色んなタッチの絵を描くには、色んな道具があったほうが良い。手に入れたあらゆる道具で絵を描いていれば、その都度、より鮮明で、よりイメージに忠実なものが、描けるようになるから。

だから、各人が「どんな人生を歩みたいだろう?」と自分に問うたとき、常にその時にベストな選択を、自由意志でできる人生、自分が思い描く未来図をしっかり歩いていける人生がいいなと思います。

ことばとは、大切な人を笑顔にするもの

わたしが昔、「自分のことをことばで表す」ことが苦手だった頃、一番憧れだったのが「面白い人」でした。つまり、ことばを使って誰かを喜ばせたり、楽しませたりできる人。

大人になってわかったのは、面白いことを言える人って、「数あることばの中から選択して、時と場合を踏まえて絶妙なタイミングで、ことばの紡ぎ合わせを展開できる人」をいうのだなと。

生まれながらの性格や環境により、それを意識下の努力なしに自然と身につけてしまう人もいると思います。

ですが、そうでないとしても、読書と実践(=学んだことを実世界に投げてみて試すことをくり返す)をすることでも身につくものなんだと気づきました。

あなたは、誰かに恋したことがありますか?

心の中にあたたかな愛を感じたことがありますか?

目の前の大切な誰かを、自分のことばで笑顔にさせたいと思ったことはありますか?

読書をして、「ことば力」を鍛えれば、それだって、可能になります。

そう考えると、ことばってとても素敵なツールですよね。本はそれをサポートしてくれる味方なのです。

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